◆おうちの中で過ごすスリル　危険を避けるには「ひとつの行動に全集中」

2021年2月15日2021年2月24日

まるで教育番組の装置のように、ものごとは連続して動き出す

机の下に文具が落ちる
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潜って拾う
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起きあがる際に肩を机に殴打する
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びっくりして椅子に寄りかかる
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椅子がスライドする
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机上のプリンターにぶつかる
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電源を入れたままのプリンターのトレーがスライドしていく
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そして、まだ肩をおさえ、床にうずくまっている自分…

有名な教育番組の某装置を思い出してしまった。
残念ながら、最後に緑の三角フラグは立たない。

日々過ごしていると、自分の予想を超えた装置現象にしばしば見舞われる。

タンスの角に小指をぶつけてうずくまるまでに、もう２、３個、何かが起こる感覚を想像してほしい。

たっぷりお茶が入ったマグカップを手に持ったまま、くしゃみを我慢できずにいる。
このとき、近くにマグを置くという考えにおよばない。

倒れそうな本を支えようとした手が蓋の開いたクリップケースに当たり、床へすべり落ちていく。
このとき、クリップケースをとっさに押さえるという考えにおよばない。

これらの行く末は、床へ派手にこぼれるものたちと、呆然と立ち尽くす自分である。

予想を超えた現象というか、もうこれは老化現象であろう。
はるか昔から、人はこの現象の前に成すすべもない。

何か解決策はないのか。

ひとつの行動に全集中

知り合いのご婦人の言葉が滲みる。
「ひとつの行動をしているときは、そのひとつの事に集中するのよ。あれもこれもと途中で考えてはダメ。」

なるほど。
頭の中で優先順位をつけるのか。

確かに小さい頃、祖母に
「何かを持ったまま、他の事やらないの！」
とよく叱られていたような…
小さい頃からそうなのだとしたら老化現象ではなく、もっと根深い問題なのかもしれない。

後日、外出したときに、さっそく「ひとつの行動に全集中」を実践した。
だが、「出かける」ことに全集中して、手袋をどこかで落としてきてしまった。
どこに落としたか全く分からない。
集中力は満タンだったが、注意力がダダ洩れていた。

こうなってくると、もう抗わないほうが幸せかもしれない。

お茶が盛大にこぼれても、拭けばいい。
派手に飛び散っていったクリップは、拾い集めればいい。

え？　結局、解決策はあきらめるってこと…