◆『フランスの更紗手帖』 編集・制作 PIE BOOKS

2021年2月24日

表紙の美しさにときめいた一冊

フランスの更紗手帖 編集・制作 PIE BOOKS
素敵な表紙

フランスの更紗手帖』は、表紙の美しい花や鳥に一目ぼれして、思わず手に取ってしまった一冊。
更紗ーさらさーとは、木綿の生地に、植物や鳥など細やかな柄がプリントされている布のこと。
イランを発祥の地とし、インドへ伝わった後は、ヨーロッパへ広がっていった。
日本の染色、文様の文化にもずいぶん影響を与えたようだ。

いまではコットンプリントなど当たり前のように身近にある。
だが、当時は通気性の良い木綿の布だけでも珍しいのに、洗っても落ちない染料で描かれたかわいらしい柄の生地は、見る人を夢中にさせたに違いない。
シルクの正装ドレスばかり身に着けていた、かのマリーアントワネットも、更紗の生地に憧れたのだとか。

ページをめくる手がとまり、目が釘付けに

フランスの更紗手帖 スケッチ
思わずスケッチした生き物たち

そんな素敵な模様が、どのページを開いても発見できる。
だが、ある日、パラパラとめくっていくなかで、
 嘘でしょ⁈
と、思わずスケッチブックにかき写した柄がある。

架空の生き物「コクシグル」

フランスの更紗手帖 コクシグル
コクシグル、とは?

1775年、綿の生地にに木版でプリントされた柄の中に、植物たちと混ざってこの3匹がいた。
3匹?…と数えてよいのだろうか。

コクシグル(coquecigrues)」といって、

 雄鶏(coq)
 コウノトリ(cigogune)
 ツル(gurue)

または、

 雄鶏
 ドクニンジン(ciguë
 ツル

の3種を組み合わせてつくられた、架空の生き物なのだそうだ。

これのどこにツルや、コウノトリの要素が…?と喉まででかかったのだが…
なんだか可愛いので、ま、いっか。
となった。

おおげさにスケッチしたんでしょー?と、お思いの方に…

フランスの更紗手帖 コクシグル
フランスの更紗手帖 コクシグル
フランスの更紗手帖 コクシグル

どうですか?

このチカラの抜けた表情が、なんとも言えない。

架空の生き物といっても、これを生み出した当時のデザイナーや、プリント加工へGOサインを出した人の頭の中をのぞいてみたくなった。

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フランスの更紗手帖

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書評

Posted by suho