◆名画を模写 『生命のダンス』エドワルド・ムンク 『ゆる模写カレンダー2021』 12月
12月を飾るのは、 『生命のダンス』エドワルド・ムンク
エドワルド・ムンクの『生命のダンス』 オスロ国立美術館 蔵
12月に向かって忙しくなる。
頭の中はこんな感じ…みんなで大団円!を、迎えたいですね。
ノルウェーが誇る巨匠、ムンク。
生い立ちや体験でそういう画風になったんだよね、ではすまされない「翳り」の形成。
誰だって手掛けている作品のために、辛い思いや悲しい体験を積極的にしようなんて思わないだろうし。
しかし、ムンク自身80年の生涯をざっと見てみても、翳りの形成は幼い頃からすでに始まっているように思えます。
厳しい父。
幼い時の母、姉との死別に加えて、父の豹変。
心労、過労と、お酒。
恋人との別れ(その際銃の暴発で手に怪我)。
ムンク自身、
「病と狂気と死は生涯にわたって私につきまとう黒い天使」とまで言っていたそうです。
芸術制作によって、一時的でも黒い天使から逃れられたのでしょうか。
最期は、第二次世界大戦の飛び火で、住んでいた家の近くにあった倉庫襲撃(弾薬庫だった)による爆風で自宅の窓が割れ、吹き込む風で気管支炎をわずらい亡くなっています。
なんだかもう、ひどすぎです。
共感なんて簡単にできないけれど、「鑑賞する」感覚を得た『ムンク展』
10代の頃、上野の美術館で見た『病める子』は衝撃でした。
小さかった頃、気管支炎のため夜中じゅうゼイゼイという私の背中を、祖母がずっとさすってくれた記憶が蘇り、目の奥がじくじくしたのを覚えています。
(隔世遺伝で、孫を煩わせたと祖母はずっと信じていました。)
あの時、連れて行ってもらった家族から離れ、ひとり絵の前で立っていた自分は、少ない経験の中から湧き上がってきた気持ちと一緒に鑑賞していたんだな、と思います。
ムンク展って、「10年に一度くらい日本のどこかで企画されてるなあ」と思うのですが、次はいつでしょう。
もう一度、あの時と同じ気持ちで見ることはできるのでしょうか。
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