◆名画を模写 『笑うクモ』オディロン・ルドン 『ゆる模写カレンダー2021』 10月

2022年2月22日

『笑うクモ』オディロン・ルドン
怖い、カワイイ、怖い…。

10月を飾るのは、『笑うクモ』オディロン・ルドン

このクモ、足が10本ある…。
不思議と不安がない交ぜになった、ルドンの作品から目が離せない。

ルドンの描いた作品、皆さんはどちらを思い浮かべますか。
セピア色と黒色で描いたクモやオタマジャクシや目玉か、パステル色で描かれた花や神話のワンシーンか。

わたしはというと、黒くて陰鬱なテイストしかないのがルドンだと思いこんでいました。

当時勤めていた職場の方との会話で
「ルドンの描くアネモネが好き。」
と聞いた時は、
ルドンがアネモネを?!
とすぐに繋がらなかったくらいです。
今ではルドンもアネモネも好きです。

黒と、豊かな色彩を持つ作家

ルドンの生涯を図録で追いかけてみると、
憂鬱で不安な少年時代、父の死、幸せな結婚、息子の死、次男の誕生…。

このクモのように黒く、翳のある作品も、
アネモネが揺れる、色彩豊かな作品も、
すべて彼から生まれた作品なのだなあ、と納得です。


後に、三菱一号館美術館のルドン展にて展示されたモノクロの版画や、淡い色で描かれた「グラン・ブーケ」を見て、ルドンという画家を、黒と豊かな色彩との両方から知ることができて本当によかったと思いました。


この『笑うクモ』、所蔵先は、なんとフランスのルーブル美術館。
あの膨大な美術品のなかでひっそりと笑っているかと思うと、ぜひ現地で観たいとワクワクしてきます。

作品ウェブサイト

須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
https://sudohoko2016.wixsite.com/sudohoko