◆名画をゆるく模写 『テュルプ博士の解剖学講義』 レンブラント・ファン・レイン『2022年ゆる模写カレンダー』11月

名画をゆるく模写してみた

『2022年ゆる模写カレンダー』 11月

『テュルプ博士の解剖学講義』

原作者 レンブラント・ファン・レイン

制作  1632年

所蔵  オランダ、マウリッツハイス美術館

なぜこれをゆるく模写したんだ…

みんな、カメラ目線すぎやしない?解剖してるのに…
とゆるく模写しながら笑いたくなってしまいます。

当時、レンブラントが請け負っていた「集団肖像画」というものなのだそうです。
ポジションで揉めそうだなあ、と思いながらカリカリと模写していきました。

よりによってカレンダーの挿絵にしなくても、と思われそうですが、
11月1日は 日本医師協会が決めた、「いい(11)医(1)療の日」らしいです。
11月は、より健やかに、の願いを込めました。


※訂正とお詫び 

カレンダーの原作タイトル表記「テュルプ博士の解剖学講義」の 【講義】の文字が、【抗議】となっておりました。
ごめんなさい。
抗議したらダメですよね…。

レンブラントってどんなひと?

デッサン、版画、油彩画において天才的な才能を示し、17世紀のオランダにおける美術の頂点ともいえる存在のレンブラント。
オランダのみならず、歴史上最大の芸術家のひとりとして認められています。

ぼんやりとした学生時代を送っていたわたしでさえ、
「デッサンがむちゃくちゃにうまい人」としての認識はありました。

版画の道に足を突っ込むことになってからも、彼の作品を見るたびに度肝を抜かれています。
(同じ画集の同じページで毎回記憶喪失か?というくらい度肝を抜かれ、ため息が出ます。)

イケてる人に描いてもらいたいよね。

レンブラントが、アムステルダムへ移り住んでから間もないころに描かれた「テュルプ博士の解剖学講義」は、彼の才能を市民に証明するには充分でした。

この時代、各種事業や福祉施設の幹部たちを描いた「集団肖像画」が流行していました。
いままでの肖像画というと、クラス写真のように列を整えてぎこちない表情で固まって…
という構図が主流でしたが、レンブラントがその慣習を破りました。
描かれる人物たちのしぐさや表情を大胆に描く構図へと、変化していきました。

ちなみに、ここに描かれている人物たちはご本人たちなのですが、講義場面は実際に行われた授業の場面をそのまま描いているわけではないそうです。
(もっとたくさんの人たちが授業に出席していたはずですものね。)

…それにしてもリアルというか説得力ある場面ですよね。

レンブラントの作品ってどこで見られるの?


レンブラント作品は、世界各国の有名美術館が所蔵しています。
ベルリン美術館、カッセル美術館、エルミタージュ美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、
メトロポリタン美術館、ルーブル美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリーなど、
いずれもレンブラントの傑作を10点以上所蔵している一流の美術館ばかり。

テュルプ博士の解剖学講義」はオランダ・マウリッツハイス美術館が所蔵。
かの有名な「夜警」はオランダ・アムステルダム美術館にあります。
お膝元だけあって、レンブラントのデッサンや版画の傑作もそろっているそうです。

日本で謳われる「レンブラント展」は、目玉である「レンブラント作品」はポツリとあるくらい。
代わりに「同時代のオランダの画家たちの作品」がまとめて 「ドン!」 と展示されるイメージ。
毎回「レンブラントと仲間たち展だよこれは」と、ジリジリしてしまいます。
けれど、国外へなかなか貸してもらえない名作であることも事実です。

いつかオランダへ行ってみたいなと思いを馳せるのでありました。

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『須藤萌子 版画とドローイング』