◆名画をゆるく模写 『ガラテイアの勝利』 ラファエロ・サンティ 『2022年ゆる模写カレンダー』 2月
名画を「ゆるく」模写して、カレンダーにしてみた
◇2022年ゆる模写カレンダー 2月
『ガラテイアの勝利』
原作者 ラファエロ・サンティ
制作 1512年
所蔵 イタリア、ファルネジーナ荘
ゆるく描いた人 すどうほうこ
ギリシャ神話の一場面、二頭のイルカが引くホタテ貝の馬車に乗ったニンフ、ガラテイアの姿が描かれています。
ニンフはギリシア神話でみられる、主に若い女性の姿をした妖精のこと。
川、泉などの水辺や、森、谷によく現れます。
ちょっと不気味でどこかかわいいイルカ
ニンフのモデルは実際の人間を参考にするとして、当時の画家たちはイルカを実際に見る機会はあったのでしょうか。
この絵の中にいるイルカは、ちょっと不気味でどこかかわいい。
個人的にツボです。
イタリアの通貨がリラだった時の500000リラ紙幣はラファエロの肖像画と、イルカをひいているガラテイアの部分が印刷されていたそうです。
歴史的に有名な人や物が印刷されることが多いので、海外のコインやお札を見るのは楽しい。
なので、国ごとに使われていた貨幣がなくなるのは、ちょっと寂しいな、と思います。
三大巨匠の画風をゆるく楽しむ
「世界三大○○」という言葉に弱い。
そして、いつしか…ついていけなくなってしまった。
レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ・ブロナローティに並んで、ラファエロもイタリアルネサンス絵画の「三大巨匠」と言われることが多いです。
初めてイタリアを旅行した時、行くところ、見るところに巨匠たちの残した歴史的芸術品が大渋滞している状態で
「三大巨匠とは…?」
と思ったものです。
口にこそ出しませんでしたが
「みんな同じに見える」
と当時は思っていました。
(美術愛好家であろうと思しき旅行客や、連れて行ってくれた家族の前ではうっかり言えないなこりゃ、と子供心ながら察してはいた。)
やがて年月が経って、美術館や画集などで何度か目にするうちになんとなく、ざっくりと画風の違いを見つけられるようになっていきました。
どこを見てざっくり判断するかというと、彼らの描く、子どもや天使の顔つきです。
おむつのCMに、今でも行けそうなスイート・フェイスなのがラファエロ。
ちょっと気難しそうで、告げでも言いだしそうなオトナ顔がダヴィンチ。
傍にいる父母供、なんだか全体的にマッスルボディなのがミケランジェロ。
…いえ、まあ、どの子もかわいいんですよ?
ゆるい鑑賞のすすめ
成人女性や男性よりも赤ちゃんの描き方が、巨匠の皆さん独特過ぎて面白い。
個人的好みもありますが、この3人の中では母子像をまろやかに描き出すラファエロが群を抜いているのでは、と思います。
画風の違いがわかるのが教養だ!芸術だ!と構えずに画集をパラり、またパラり、とめくりながら、
「よし、今日は天使で一番神経質そうな顔した奴を探そう。」
と、自分なりにユルーく楽しむの、おすすめです。
◇ラファエロが気になった方はこちら
・ラファエロ画集: (世界の名画シリーズ)
・ラファエロの世界
◇他の月の「ゆる模写」はこちらから
◆名画をゆるく模写 ペン画による2022年カレンダー
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『須藤萌子 版画とドローイング』
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