◆【2021・セルフインタビュー】作家が記録 3

2022年2月11日

伝えたい誰かの顔が見えた。

伝えたい誰かの顔が、はっきり見えた瞬間

-前回、ご自身でも、作品発表の場を確保したいとのお考えを話されていましたが。

-コロナ禍のほか、様々な事情があって出かけられない人のために、個展で発表した作品を自身のウェブサイトや、SNS上で閲覧ができるようにしました。

以前は、画面上で作品を見せることへ抵抗を感じていました。
直に見てもらわなければ意味がないと思っていたからです。
でも、そんなことは閲覧する側だってわかっていると思うんです。
コロナ禍で美術館やギャラリーのホームページを見ながら

「本当は見に行きたい。」
「でもできない。」
「でもいつか。」

こういう、自分と同じ気持ちの人がいるはずだ、と。
その時、幾人か知っている顔が浮かんできて、数人でもいいから見てもらえたらな、と始めました。

オンライン展と呼べるのかわからない、淡々と作品の画像とキャプションを掲載する単純なものでした。
その時の季節や、部屋にかけたいシチュエーションを想像しながら、画面の向こうで楽しんでくれたらいいなと。
今までの作品とも向き合うことができて、自分にとっても、良い機会となりました。

オンラインのほかには、予約制のホーム・ギャラリーを始めました。


-予約制のホーム・ギャラリーについて教えて下さい。

-予約制のホーム・ギャラリーは、本当に手探りで始めました。
住まいの一角を一定期間設えるのですから、まずは、家族に相談です。
ギャラリーと同じように、開催日時を決めるところから始めました。
コロナ禍にあったせいもあり、予約の規定をシンプルに、そしてちょっと厳しめにしました。
それがかえって、見る側も、こちら側も、お互いによかったように思えます。


-厳しめというのは、具体的に言うとどのくらいですか?

-友達ではない人の家を訪ねる、くらい?

次回、【2022・セルフインタビュー】作家が記録 4 これからも制作を続けていけるか

作品ウェブサイト

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『須藤萌子 版画とドローイング』