◆『ことばあそびうた』福音館書店 谷川俊太郎・詩/瀬川康男・絵

2022年2月8日

一度読むとクセになる
二度読めば口ずさみたくなるフレーズがたくさん

わたしの幼少期におけるバイブルのひとつ。
ことばあそびうた

谷川俊太郎さんが織り成す、巧みで、思わず笑ってしまう言葉の連なり。
挿絵もすごく印象に残っている。

今見ると「子ども向けなのか?」と思うほどクセのある絵に見える。
使われている線も、色もそんなに多くない。
可愛さに、ちょっぴりの毒というか不気味さが混ざっている。
なんともいえないバランスである。

わからない言葉は教えてもらったり、大人になって分かったり

どのうたも全部好きなのだが、特に好きなのを抜粋してみた。
ばか』というタイトルのうたである。

「ばか」
はかかった
ばかはかかった
たかかった

はかかんだ
ばかはかかんだ
かたかった

「えええ、どんな状況???」
って、思ってはいけない。

この絵本『ことばあそびうた』、対象年齢は3歳からという表示がある。
だが、もちろん、子供だけですべて理解できるようではない。
このうたには、続きがある

はがかけた
ばかはがかけた
がったがた

はかなんで
ばかはかなくなった
なんまいだ

幼い記憶では、当時わたしは意味も分からないまま、「がったがた」とか、「なんまいだ」という響きだけで可笑しくて、ゲラゲラ笑っていた気がする。

「ばか」って何?
「はか」って何?
「はかなくなった」ってどういうこと?
時々、家族に聞きながら何度も読んだ。

「はかなんで」に添えられた瀬川さんの絵が秀逸。
いつの頃か、このお墓を噛んだ馬鹿は、死んじゃったんだ、と理解した。

今あらためて声に出して読んでみる。
「墓買った、高かった」
「馬鹿、歯が欠けた」
ああ、
なんて悲しいこと。
ひらがなで綴られたことばが、勝手に頭の中で漢字に変換されていくのがわかる。

そうじゃなくてリズムなんだよな、って思う。

作品ウェブサイト

須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
https://sudohoko2016.wixsite.com/sudohoko

書評

Posted by suho