◆名画を模写 『死と生』グスタフ・クリムト 『ゆる模写カレンダー2021』 2月
2月を飾るのは、『死と生』グスタフ・クリムト
オーストリア、ルドルフ・レオポルド美術館
1911-1915
原寸170×198㎝
金工職人で彫刻銅版画師でもある父を持ち、少年時代から優れたデッサン力を発揮していたクリムト。
兄弟で学生時代から障壁画を手掛けるなど、公共美術の世界で成功を収めていきます。
しかし30代になるころには、現代美術の影響を受け、アバンギャルドなアートの旗揚げ役へと転身。
クリムトが描くこの『死と生』。
官能的な女性のそばには、性を文様化した背景、老いや死をまとうモチーフなどがよりそい、いっそう官能的な演出をかもし出しています。
健康に気を付けていたクリムトも、55歳の若さで亡くなってしまいます。
(なんと、インフルエンザだそうな)
今、この時代を見たら何を思い、何を描くのか気になる巨匠のひとりです。
クリムトの絵は辛口? 癖になる味わいはどこからくるのだろう?
2月にクリムトの作品をセレクトしたのは、バレンタインデーという濃いイベントに対抗できるのは、
「この人しかいない!」
という理由です。
(左に死神いるけど気にしない!)
改めて画集でクリムトの作品を見ると、女性に対しての描写が「ちょっと辛口」すぎやしませんか?
なんかこう、描き分けが。
例えるなら、
久しぶりにスーパー銭湯へ行ったときの感覚。
人生の縮図を見せられているような気分になります。
赤ちゃん
夢美心地な乙女
まどろむ官能美女
筋骨の整った男性
老いた人
髑髏
クリムトは、
「生と死」「若さと老い」を際立たせるための効果的な配置やモデルの描き方を知っていました。
描き方というか、描き分けるチカラをもっていたからこその辛口なのかも。
「癖になる。」
ときどき摂取したくなる、辛口なのでありました。
須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
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