◆いい匂いのする場所 春先に咲く沈丁花(じんちょうげ)
ポカポカ陽気、でも油断できないのが春先のこんな季節。
冬に比べたら、もうずっと暖かくなっている。
けれど春先のこの時期、ポカポカだった日の夕暮れ時に、ひんやりとした風にあたると
「あー、油断した。もういちまい羽織ってくればよかったなー。」
と思わず肩があがってきてしまう。
なんだか、体感温度への反応が年々鈍くなってきているようだ。
寒いのが苦手になったのはいつからだろう
春先の雨は冷たい。
ことさら冷たく感じる。
学生の頃は、卒入学式など行事に使う寒い体育館が苦手であった。
なにせお寺の本堂か、というくらい寒い。
殺風景な体育館だったから、お寺と違って、寒さを紛らせるヴィジュアルも演出も少ない。
一文字ずつ手彫りの校歌のレリーフ、
いい言葉を掲げた濡額、
バスケットゴール、
天井、床、
たまに誤って入ってきてしまった鳥。
なかなか出られない鳥。
立ち尽くすわたしたち。
親御さんや先生たちだって、身体に堪えてる人いたのではなかろうか。
こんな寒いところに集めたり集められたりするのが平気な人間になったらどうしようと思う。
しとしと雨の日に香った沈丁花(じんちょうげ)
寒い日は苦手だけれど、嫌いではない。
それはオトナになって、寒いと感じた日は春でも夏でも、自分で決めて着重ねてもよくなったからだと思う。
先日の雨のなか、歩いているとフワフワといい匂いがしてきた。
ミニチュアサイズの紫陽花のようなかたちの沈丁花(じんちょうげ)。
残る寒さと、その花のこっくりとした香りがなんともいえない。
通っている道に、こんな植物があるのを知らなかった。
冬だと足早で気づかないだろうし、
夏だと甘ったるすぎる。
その季節によりそう色や香りがあるのかもしれない。
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