◆作者がギャラリー在廊中にうけとった言葉

2026年7月12日

「作者がギャラリー在廊中にうけとった99の言葉」
という本が刊行できるのでは?と、いま、思う。

まだ個展で作品を発表しはじめたばかりのころ。

来廊者から

「色彩感覚がない」
「どこか(協会)所属してる?誰に師事してる?」
「モチーフが何なのかわからない」
「値段が高すぎる」または「安すぎる」
「(ほとんど作品を見ずに)売れますか?」
「(ほとんど作品を見ずに)額がいいね」
「どこの美大出てる?」
「(教職※してないと)もったいないね」
「(指がつく、または作品に着くくらいに指して)ここどうやって作っているの」

等の言葉を投げかけられたことがありました。
※教職とは、学校の先生-教育職員のことで略語ではないのです。


そういう言葉を投げかける人は、

『気軽に思ったことが、そのまま素直に出てしまっている人』
『この展示場所に来る前に御身に何かあった人』

がほとんどです。

ごく稀に、上記のような言葉を発した相手が、わたくしと同じものづくりを志す人や、
作家だと知ったときは、驚くよりも

「今、こういう人にしか私は反応してもらえないのだ」

と、情けなくて悔しくてしかたがありませんでした。

一問一答、一喜一憂の果てに見えたもの。

自分でも超馬鹿がつく正直さで、在廊中はすべてに反応し、
対話を試みていました。

今思えば、それらの声は自身の制作の手足を止めるだけで、
成長の糧にはひとつもなっておりません。

そういう方たちに気を配り過ぎていると、本来の純粋な鑑賞者の方を、
なおざりにしている可能性があります。

思っていてもその場では言わない、
お互いの言葉が伝わるまでじっとその時を待ってくれた人もいたかもしれません。
(別の場所で言ってるor書いてるかもしれないが。)

個人的な肌感として、

・自分の制作姿勢にhonesty-誠実である作家、
・拙作に限らず、対価を払って作品を手に入れたことがある人、
・職業としての批評家

には、上記に当たるような言葉を使って近寄ってはきません。
(ずいぶん強めに言い切ってしまいましたが、だってそうなんだもの。)

もし、自分の作ったものを発表したばかりの方で、行きずりの人に何か言われて
しょんぼりしたことがあったのなら、
しょんぼりした同士で傷をずっと見せ合ったり、
大変だったね、と言ってくれた人にずっとよりかかるのはお勧めしません。

そうしている間、自分の制作の手は止まったままでいるからです。

程々に切り上げましょう。

そしてまた、制作を続けましょう。

わたしも、続けます。

道は深く、遠い