◆漂着するものへのまなざし

2020年12月27日

漂着し晒されたものが、再び意味を持つものになれる。
そのデザイナーの手と、まなざしにすくわれたのなら。

大滝さん作品の「鳥」。流木の形を損なわいよう、加工はごく少ない。

大滝正明(オオタキマサハル)さんの個展へ行ったときのこと。

大滝さんとの話は、筆談になることが多い
会話には、常にペンや鉛筆を紙に走らせる音がいっしょ。
それが、わたしには心地よい。

大滝さんがデザインした、個人美術館。わたしの絵を展示できるようにとのイメージで。
「個人美術館」デザイン 大滝正明

いまでも時々ひとりで何か書いていると、その音とともにふと浮かび上がる言葉がある。
かつて大滝さんからでた言葉。

「これからは言葉の展示」。
個人美術館が生まれる」。
持ち運べる美術館」を作る。

当時近所ではめずらしい予約制ギャラリーなどをとりいれるなどしていて、まるで今を見据えていたようで、ちょっと驚いている。

現代において、こちらが苦しくなるほど無数にある色や形やパフォーマンスから、救いだしてくれる人。
それが大滝さんなのです。