◆『Scope』 桑原弘明 作品集 覗いた先に不思議な旅が待っている

2021年6月16日

『Scope』 桑原弘明作品集 平凡社

スコープたちをこの目で覗いてみたい

Scope』は、美術科の先輩が貸してくれた、借りるのも、保管するのも、返すのも緊張する1冊。

「スコープ」と呼ぶ箱たちを収めた、桑原弘明さんの作品集。
箱の中を覗き込めば、その場面に吸い込まれそうな感覚になる数々の装置が並んでいる。

ページをめくるたびに、

実際に、スコープたちをこの目で覗いてみたいー。

とウズウズしてしまう。


『スコープ少年の不思議な旅』との出会い

桑原弘明さんの名前と、作品を知ったのは、2005年に発行された『スコープ少年の不思議な旅』(パロル社)を手に取ったことにある。

スコープ少年の不思議な旅』 パロル社
桑原さんを知るきっかけの一冊

タイトルの、

「スコープ少年」って、何?

と気になってしまった。
また、「不思議な旅」という言葉に引きよせられた。

子どもの頃、悪戯っ子が魔法で小さくなった体で、渡り鳥と一緒に世界を旅するというテレビアニメがあった。
そのタイトルにも「不思議な旅」という言葉が使われていて、なんとなく親しみを覚えたからかもしれない。

『スコープ少年の不思議な旅』で紹介されている桑原さんの作品は、ぱっと見、蓋のない小さな箱。
箱を見ただけで
「何が入っているのか、とても気になる」
と、ドキドキしてしまう。
万華鏡や、顕微鏡をのぞき込むときに使うような筒が、箱から出ている。
のぞく筒とは別に、箱には「窓」のようなものがついている。
そこから外の光を取り込んで箱の中が照らされ、中が見えるしくみになっている。
この桑原さんの作品「箱」のことを、「スコープ」と呼ぶのだ。

作品集『Scope』では、箱を外から見たときの写真と、スコープをのぞいたときの景色を見ることができる。
光の向きを変えたときにみえるバージョンも見ることができてうれしい。

のぞき込んだら、帰ってこられなくなりそうな感覚になりそうだ。
それでもやはり、実際に見てみたいという思いは募るばかり。

◇桑原弘明さんの作品が気になった方はこちら
Scope
スコープ少年の不思議な旅

作品ウェブサイト

須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
https://sudohoko2016.wixsite.com/sudohoko

書評

Posted by suho