◆「アートの実用性」を求められた時の答え方

2022年2月22日

意味、なんでも求めがち。

「作ってそのあと何をするの?」「これを作る意味は?」て聞かれたら、なんて答えればよいのか

ワークショップを開いた時に、
「これって作った後、どーするの?」
というやつにどう答えようか困ったことがあります。

確かにそういう疑問が湧くこと、自然です。

小さい頃から、わたしは美術や図工の時間が好きだった。
紆余曲折あったものの結局嫌いになれず、見るのも作るのも好きな大人になってしまった。
そんな自分が、このクエスチョンを聞いた時は、

なんというか、その、

「ショック!」

でした。

今まで何も疑問を持たず、作ったものを直したり、壊したり、飾ったりと、
「こうしよう」と自分なりに楽しんでいたけれど、
それって全部「作り終えた後に考える行為」でした。

取り掛かる前に実用性を問われたり、問うたりしたこと、なかったかもしれない。
この手の質問は、はるか昔、高校美術の講師をしていたときにティーンエイジャーから聞いたような…。
(あのときの理由は美術の授業が怠いから、というのが多かったかも。)

ちゃんと答えられなくて後悔してます。ごめんよ。

「硯屏(けんびょう」という言葉を知っていますか?

突然ですが。答えの前に、ちょっとこの話を聞いてください。

あなたは「硯屏-けんびょう」という言葉を知っていますか?

字のごとく、

硯…(すずり)、
屏…屏風(びょうぶ)。

むかし中国で毛筆が尊ばれていた頃の時代、己の文机に、墨を溜める硯はマストなアイテムでした。
その墨の中へホコリが舞ってこないように、ミニ屏風を硯の前に立てたのです。
いや、

前に立てたって…横から後ろから入るだろホコリ…

と言いたい気持ちを、どうかおさえて下さい。

硯屏は、小さいながら素材は様々、見事な細工をほどこしたものもありました。
手書きが主流の(というか手書きしか方法がないのよ…)時代、筆をふと止めて硯屏へ目を移し、仕事の疲れをしばし和ませるのに一役かったそう。
それはさながら、現代を生きる私達が、机上に置いたパソコンのデスクトップから得る癒やしのひと時と同じでありましょう。

(マジかよ~って、どこかで読んだ雑誌に書いてあったもん、ホントだもん…。)



そんなこんなでですね。

作ったら、

「飾ってください。」

いい感じに。

作品ウェブサイト

須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
https://sudohoko2016.wixsite.com/sudohoko

制作

Posted by suho