◆美術館 ミュージアムショップの楽しみ方とグッズ選び

ミュージアムショップが「好き」

美術館が好きです。

そして、それぞれの美術館にあるミュージアムショップも好き。

今まで行ったミュージアムショップのグッズの中から、独断と偏見で選んだ

欲しい! あげたい!」

と、思うものを紹介します。


でも、その前に

「ミュージアムショップって何?」
「町なかの雑貨屋さんや書店とどう違うの?」

というところからお話ししていきます。

ミュージアムショップってどんなところ?

ショップ

ミュージアムショップは、美術館へ行った、展示されている作品を見た、という

感動のカケラを持ち帰ることのできる嬉しい空間

になっています。

美術館内にある「雑貨屋さん」のようなもの。

そのとき企画された展覧会の図録や、作品や作家をグッズ化して販売しています。
なんだか扱うグッズの種類が年々多くなっている気がします。

規模は、出入り口の端にかまえたコンパクトなものから、広い(広すぎる!)ショップまでいろいろ。
展覧会に関係した書籍資料やグッズのほかに、美術館独自にセレクトしたものもあって、ついつい時間を忘れて見てしまいます。
ぜひ、時間に余裕をもって美術鑑賞とともに楽しんでほしいです。

ミュージアムショップだけに行きたいけど、それってできる?

買い物
お買い物だけしたい…?

ところで、ミュージアムショップへ、お買いもの目的のみで行きたいと思ったことありませんか?

ありますよね。

それ、とてもわかるんですよ。

チケット売り場や、案内受付をスルーして、ショップへ直行できるかっていうと、どうでしょう?
ちょっと、緊張しませんか?
わたしは「いいのか…な?」と不安になってきます。


実は、美術館のショップが併設されている場所がどこにあるかで、買い物だけができるところと、できないところがあります。
ショップは、館へ入って目の前にあったり、その展示を見終わらないとたどり着けない場所に特設されていたりと様々です。
さらに、設営場所によって購入できるもの、できないものもあります。

以前行った、六本木の某大人気漫画家の企画展の特設ミュージアムショップは、外観は白い布で覆われ、入館チケットの半券がないと入れない、なんてこともありました。

楽しく鑑賞やお買い物して過ごすためにも、事前に、美術館ごとに確認するのが一番良いと思われます。

自分の中の「好き」をくすぐる場所

ジャコメッティ
展示も楽しんで!

新型コロナ自粛期間中、美術館のホームページを見ながら
「はやく再開できるといいな~」
と思っていました。

その流れでミュージアムショップのサイトを見ると、欲しくなっちゃう誘惑が渋滞を起こして大変でした。

美術館所蔵の作品がグッズ化されていたり、企画展の間しか販売していないグッズを見たり…
もうー、楽しい。

そしてそれは、見るだけでは済まない場合が多いのです。



それでは、わたしが思わず「好き。」と、買ってしまったグッズを紹介します。

ショップの定番?「ポストカード」の紙質にうっとり

ポストカード
美術館で買ったポストカードたち

まずは、どの美術館のミュージアムショップにも置いてある「ポストカード」。
美術館が所有している常設作品や、企画展の作品が印刷されています。

最近気になったのはその「紙質」。
美術館によって違うのです。

買ってから実際に手紙を書くと、
ペンのインクが乗りやすい、
ボールペンやゲルインクペンがさらさらと走りやすい、
など、様々です。

ちなみに、私のお気に入りはこちら。

〈63円切手で送れるサイズ部門〉

◇国立西洋美術館・(常設、企画)のポストカード
◇山口県立美術館・ハマスホイ展(企画)のハマスホイ作品が印刷されていたポストカード
◇愛知県立美術館・コート―ルド美術館展(企画)のポストカード

〈圧巻の12か月分!季節の花鳥画部門〉

◇出光美術館・酒井抱一十二か月花鳥図貼付屏風ポストカードセット

〈静岡部門〉

◇芹沢銈介美術館(静岡市)のポストカード
◇静岡市立美術館・赤羽末展(企画)のポストカード
◇ポーラ美術館のポストカード
◇佐野美術館(企画)・ヒグチユウコ展のポストカード

私の好みで、ボールペン、ガラスペン、万年筆、ゲルインクペンで書きやすいなー、という理由で選びました。
デザインが同じでも、リバイバルして紙質や配置もちょっと変わった、というのも美術館によってはあります。

〈たぶん84円以上の切手じゃないと送れないやつ部門〉

変形ポストカード
ふつうのハガキよりも大きめ

◇サントリー美術館(六本木)の円形ポストカード
◇静岡市立美術館・赤羽末展(企画)の長型ポストカード
◇根津美術館の長型ポストカード(主に屏風絵)

表面がツルツルしているものにお手紙を書くときは、油性ペン一択ですね。
自宅の引き出しの「ポストカード貯蓄沼段」を見たところ、郵便番号が5桁だった時のものにツルツル系とか余白贅沢系が多い気がします。
書き難いというよりは、飾っておうちで楽しむ用に買う方も多かったのでは?と思いました。

皆さんもミュージアムショップへ行ったら、ポストカードの並んでいる棚、のぞいてみてくださいね。
(指で触って紙質を楽しむのはサンプルにて、またはぜひ、ご購入してから)

ポストカードに続く定番、一筆箋(いっぴつせん)

一筆箋
使い切っても表紙を残してしまう…。

次に紹介したいのは、ポストカードに続く定番の「一筆箋(いっぴつせん)」です。

略式の便せんにも使え、重宝しています。
ちょっとしたメッセージを添えたい時に便利です。
メモ用紙に書くより、ちょっとカチッと感も出ます。
定型封筒に折らずにいれられます。

一昔前のデザインだと、展示作品が縮小されてガシーン!と力強く、ボカシなしで配置されているものが多かったです。
それはそれでレトロ感あって好き。

最近は罫線なしとか、方眼マスのもの、一冊の中で使われている柄が違うものなど、豊富なデザインをみつけることができます。

その中で最近好きだった3つ。

安曇野ちひろ美術館・いわさきちひろ一筆箋
安曇野ちひろ美術館・レオ・レオニ一筆箋
◇三菱一号館美術館・ルドン展(企画)一筆箋


ちょっと変わったものとして、
一筆箋のサイズの幅に切り離せるように切れ込みが入っていて、それが蛇腹折になっているもの。
これは、静岡市立美術館のミュージアムショップで見つけました。
後で記憶を頼りに調べると、日本橋にある和紙、紙モノ専門店「榛原(はいばら)」さんの蛇腹便箋だったことがわかりました。

こんなふうに、専門店の品物を扱っていることもあるので、調べてみるのも楽しいです。

あっても困らないし、便利だし…と、つい増えちゃうトートバッグ

トートバッグ
増えていくトートバッグたち…

最初は、図録をいれる袋にしよう、と軽い気持ちで買ってしまった「トートバック」。

ところが、地味に増えていく。
冷静に見ると「もう限界だ」という風体になったものとは泣く泣くお別れしていますが、これからもどうなることやら。

そんな中、わが手元に生き残った3つ。

四国、李禹煥美術館のトートバック
◇都内上野、プーシキン美術館展(企画)のトートバック
◇上海、上海美術館のトートバック

(国外モノが1点入ってしまいました)

美術館のミュージアムショップのトートバックは、展覧会ごとに新しいデザインのものが必ずあります。
なんなら図録の真横で揺れていて「さあ、使って~」と訴えかけてきます。

探してみてくださいね。

こらえ切れずに買ってしまうクリアファイル

クリアファイル
様々な形のクリアファイルたち


クリアファイル」もミュージアムショップでは定番グッズですよね。

A4サイズのほかに、仕切りつきのもの、チケットをいれられる細長いタイプのものなど、種類も豊富です。

買ったけど使っていないミニサイズのクリアファイル。
これは、手を拭いた後のハンカチをはさんで入れておくのに便利です。
このご時世(新型コロナ感染対策中)、化粧室のエアタオルは使えないし、いつもよりハンカチが湿るし、バッグのなかにそのまましまいたくないな~、って時に活躍しています。

最近はぐっとこらえてますが、こらえきれず買ったものが3つ。

◇上野 藤田嗣治展(企画)クリアファイル
 (A4仕切りつき、素材紙)
◇豊田市美術館 フランシス・ベーコン展(企画)クリアファイル
 (A4プラ、収納箇所がとじ込みになっている)
◇愛知県立美術館 クリムト展クリアファイル
 (はがきがすっぽり入るサイズ)

買ったグッズの便利な使い方

例えば、ミュージアムショップで企画展の図録を購入したとします。
ついでにトートバックも買って、その中に図録を仕舞います。

さらに、ポストカード一筆箋も買ってトートバッグに仕舞います。

チラシ置き場では、次の展覧会や気になるデザインのチラシなどを手に取ります。
手に紙モノがたまってきましたね?
予めクリアファイルを買っておけば、それらを折らずに済みます。

そして、トートバックに図録、ポストカード、一筆箋、チラシを入れて持ち帰ることができるのです。

という流れが、あの一角にはあります。

揺れる心とともにミュージアムショップへ。
グッズ選び、楽しんでくださいね。

作品ウェブサイト

須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。こちらもご覧ください。
『須藤萌子 版画とドローイング』