◆山茶始開(つばきはじめてひらく)

2021年2月24日

「つばきはじめてひらく」と読む、七十二候のひとつ

散り方でわかると友人が教えてくれた

さざんか(山茶花)と、つばき(椿)って同じものなの?
(同じツバキ科なのだそう。)
通っていた高校は、正門向かいの弓道場の生け垣が山茶花だった。
それをみながら帰りのバス停へ向かうのだが、

バラバラ山茶花、クビキリ椿

と、同級生が教えてくれたおかげで、なんとなく、ふたつの違いが分かるようになった。
(散り様の表現で見分けるというものなのだが、その、表現がなんともアレ。)
でも、どちらも好きな花。
その枝葉のなかを転げまわるように動いて蜜を吸う、メジロに会えるのも季節の楽しみ。

椿にメジロ

小学生のころ、校内で傷ついて迷子になっていたメジロを、しばらく籠に保護していたクラスがあった。
当時はおっとりしていたのか、後の学年集会で
元気になったメジロを籠を開けて見送る
までやってのける学校だったのですよ。

登校する朝、祖母が自分の育てていた椿を一輪切って
「持って行ってあげなさい」
と、いって渡してくれた。
わたしは、自分のクラスでもないところへ椿を持って入っていくのがなんとも気恥ずかしかった。

持っていくと案の定
「鳥がそんなもの食べるわけないじゃん(遠州・三河弁)」
と、男子に言われ、椿を持ったまま固まってしまった。
今なら
何言ってやがんでぇこれだから!ものを知らないってぇのは困るよ。」
お前じゃ話にならねぇ、ここのクラス担任の先生はどこでぃ、出てぇきやがれ!」
くらい言ってやるのですが。(嘘です)
小学生には、べらんめえ口調どころか、
「ちがうよ、蜜を吸うんだよ」
と、伝えるのは、無理難題が過ぎました。
そこへちょうど担任の先生が来て、椿は無駄にならずにすんだのでした。

ひと枝の椿を入れた瞬間、メジロが華奢な足を跳ね上げ飛びつき、皆が見守る中、その薄緑の小首をかしげ花中へ頭を埋め蜜を吸い始めた…、かどうかはわからない。

しかし、それぼど嫌な記憶で残っていなかったということは、安堵するくらいは啄(ついば)んでくれたのかもしれない。
「ほら、食べないじゃんか~」
と、糾弾された記憶がないからである。
担任の先生も「んなわけないじゃん男子」を諭すわけでもなく、
「まあ、せっかく持ってきたんだし、入れてあげたら?」
くらいだった気がする。
だからといって「配慮が足りない、決めつけはよくない、メジロの生態についてその日の午後は特別授業だ」、とはならない。

花の赤と、鳥の緑がなんともいえない。

「鳥が椿の花の蜜を吸う」
などという、日本画のド定番みたいな場面を知る子ども…たぶん大人もなかなか居なかったんではないでしょうか。
本当にかわいいので見てほしい、椿にメジロ。
そして椿の枝をもって立ち尽くしている子がいたら
「メジロに持ってきてあげたのかな」
と、生暖かい目で見守ってほしいです。

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Posted by suho