◆制作日誌ー銅版画のほかにも挑戦してみよう

2021年6月15日

銅版画から離れて、ちょっと他の画材にも挑戦

鷹匠lapotto.tetoオーナーさんの企画展「APARTMENT ZOO vol.3」
こちらの、グループ展へ出した作品をご紹介します。

にゅあんす堂という屋号で参加しました

「APARTMENT ZOO」は、lapotto.tetoにて取り扱っているペーパークラフト商品を使った企画展。
色々な形のお面や、張り子の動物たちが籠いっぱいにひしめき合っていて、参加作家はその中から選んで加筆・加工していきます。

デコレーション」に近いかも。

展示へ出す作品の原型が決まっていて、制作する人たちが、それぞれ扱う画材や技法で表現していく、
という、半分プロダクト的な要素が入っている企画展です。

色々なグループ展や公募展があるけれど、こういうスタートの仕方はおもしろいな、と感じました。

型が決まっているから

「色々やってみたい!」

とワクワクしてくる。

きっと作家さんそれぞれの特長が見出しやすくなるかもしれません。
そして、あまねくさんは今年新たに生まれた「アート&スペース」として、最初の企画展。

仮面「目隠し鬼ごっこ」

わたしが出展した作品はこちらです。

2

一見すると、素材がわかりにくいかもしれません。
こちら、もとは褐色のボール紙を重ねて糊で固めたお面です。

原型はみんなこんな素材。
(こちらは違う形のお面)

下地材を塗って、紙やすりで表面を滑らかにしてから
インクボールペンでレース模様を、手で描いていきました。

実際にレースを貼ると、レースの目が糊で埋まってしまったり、乾いた糊跡がつくだろうから

「描いたほうが早い!」

と描きはじめたのですが。

「…?」

レースを、貼ったほうが早かったですね。
なにが早い!と思ったのだろう。

モチーフは、こどもの遊び「目隠し鬼ごっこ」というタイトル、クラシック曲のイメージにあわせています。
こちらがイメージイラストです。

なんだかちょっと、意地悪で怖い…?

「アート&スペース」として、最初の企画展だって言ってるじゃない…。

華やかな仮面

「お祝いの気持ちで描いていこう」
と、ちょっと華やかな柄を仮面に描いてみました。
下地の素材は、上に掲載した仮面たちとおなじく、ボール紙です。

白い下地剤を重ねる時間が一番長い
表面を紙やすりで磨いていく時間も長い

「APARTMENT ZOO vol.3」の中のZOO(動物園)という単語に今さら気づきました。

仮面の一部に小動物たちを描き入れました。

リスがおでこに
小鳥が顎に

お面はまだよかった
立体になると、絵付けの難しさが上がりました

これは、なんでしょう?

挑戦したのは、紙のお面だけではなく張り子のような動物たちも。

このままでもなんだか味わいのある動物たち。

下地材を塗っていく面積が多くなるため、絵付けをしながらひぃふぅ。
食器の絵付け職人さんや、立体作品を作る人のすごさを垣間見た気がします。

鹿ー青い方
鹿ー赤い方

亡き祖父母が使っていたペアのカップが、青と赤の色違いで素敵だったのを思い出していました。
創作上、イメージを固めていくうえで助けられました。

馬もなんとか塗り終えました

首元に小鳥を

今回、身近な画材を使ってどこまでできるかという試みもありました。
使った画材は文房具店さんや、画材屋さんで比較的手に入りやすいものが多いです。

おうち時間は、鷹匠lapotto.tetoさんにてペーパークラフトをお土産に、創作タイムを過ごしてみては?

◇使った画材
・白色地塗り剤(ジェッソ)
・水彩絵の具
・水彩用の筆
・アクリル絵の具(金色の部分)
・インクボールペン(uni-ball SigNo DX0.28mmブルーブラック・レッド/HI-TEC-C0.3mmブラック)

※ほとんどが水と相性が良い画材なので個人的にメンテナンスしやすい。
※剥げや溶け落ちが嫌!という方は水溶性ニスでコーティングもアリですが風合いを今回は重視しました。

冬場は銅版画の腐蝕作業がはかどらないこともあるので、色々な制作に挑戦するのも良いかもしれないです。

◇参加したアート&スペースは、これからも楽しそうな企画がありそうです。
同じ階の2号、3号室は、雑貨店la potto. tetoさんが入っています。
アート&スペース あまねく
〒420-0839 静岡市葵区鷹匠2-10-25 AP2F 1号
https://lapottoteto.com/

作品ウェブサイト

須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
https://sudohoko2016.wixsite.com/sudohoko

制作

Posted by suho