◆制作日誌-銅版画のほかにも挑戦してみよう PartⅡ

制作してみました。
フレスコ画を描いてみよう

「簡易フレスコ画体験」の準備をしています。
「フレスコ画」とは、
水で溶いた漆喰(しっくい)を画面となる壁に塗り、画面が乾かないうちに水や石灰水で溶いた顔料で描いていく
という技法です。
おもに西洋の壁画などに使われています。
フレスコはイタリア語でFresco(フレスコー新鮮な、英語ではFresh)の意。
有名どころだと、イタリアにある巨大な壁画に描かれたミケランジェロ作『最後の審判』でしょうか。
そんな技法を
「簡易にできるの?」
というか、
「やりたい!という人がいるの?」
と思われた方、
あなたは正しい。
遠い所から取り寄せる必要のない素材たちを使って、
短い時間で楽しめて、
でも、しあがりはウフフな感じにしたい…
とアレコレやってるんですよー…
と話していたら、今月末の開催席は満員となりました。
が、がんばります。
いずれ、定期的に開催できるようにしますので、今しばらくお待ち下さい。
制作手順の様子

@エコウッド景観共同組合
今回は、壁面ではなく木片(ユーカリ材)を使用します。

漆喰を用意します。
漆喰と水の比率は購入した漆喰剤の袋に書いてある通りにします。
漆喰の粉は粒が細かいので、水を足したり混ぜたりするのは、ゆっくりと行います。
粉を吸い込まないようにマスクをしましょう。
(このご時世、マスク勧めるのが楽で、ちょっと助かる。)

木片(ユーカリ材)に漆喰をぬります。
漆喰を平らに塗ったほうが、絵を描きやすいです。
省略したほうがいい?
下書きはしっかり派か、いきなり描いちゃう派か

フレスコ画は、漆喰をのせたら乾かないうちに描き上げなくてはなりません。
「何を描こうか」は、漆喰を練る前までに決めておいたほうがよさそうです。
とはいえ、湿っている漆喰の上から下絵を写すにはどうすればよいのでしょう。
学生時代に習った下絵を写す方法を紹介しておきます。
下絵を描いた透けて見える薄紙(トレーシングペーパーなど)に、目印となる穴をいくつかあけおく。
それを漆喰がぬられた板上にあてて、上から色の濃い粉状の顔料(紅殻だったような…そしてチョークの粉を代用したような…)をはたいて穴から落としていく。
すると、だいたい下絵の形にガイドラインが点状に現れる。
というものでした。
うんん…紅殻がないのと、トレーシングペーパーをそっと押しあてて剥がした後の阿鼻叫喚(主に私の)が予想されますので、顔料を使うのはやめた方がいいですね。

針先でガイドラインを打ちました
今回は、漆喰をのせた面に直接、針先でガイドラインを打ちました。
水彩絵の具を使って、漆喰へ描いていきます。
乾かないうちに〜、とあわててしまいそうですが、先に使う色をいくつか決めておくと良いです。
漆喰を塗って、すぐに筆をうごかすと、
画面を筆先で掘ってしまったり、
漆喰ににじみが広がってしまったりと、
なんだか…ありゃりゃ。
でも、それも楽し。
にじみに慣れるために、試し紙で練習しておくとよいかも。

この感触に、慣れてきたか!と思うときには終わりが見える感じでしょうか。
乾いた後に、描き込めないこともないです。

本来フレスコ画は、乾く時に絵の具をその水分で包み込むようにして画面へ吸着させる、という漆喰の作用を利用しています。
乾いた上から描くと、絵の具が浮いてる感じになるし、その部分から色が抜けやすくなります。
吸収して壁の中に絵の具の粒が閉じ込められるからこそ、長い年月を経ても色や形が残ったんですね。
須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
https://sudohoko2016.wixsite.com/sudohoko
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