◆名画を模写 『ライオンにおびえる白馬』ジョージ・スタッブス 『ゆる模写カレンダー2021』 5月

2022年2月22日

ビクッと足がすくむ白馬が印象的な絵

5月を飾るのは、『ライオンにおびえる白馬』ジョージ・スタッブス

スタッブスといえば馬。馬といえばスタッブス。というあのスタッブス。

それゆえか…
画面の中で馬が際だって目をひきます。
馬愛好家たちの注文に忙殺されながらも、版画やエナメル画などの新しい技法の研究にも熱心だったそう。
(ウェッジウッドとも共作しています。)

馬とくらべて、なんだか描かれているライオンが暗い?

この作品の原画はどこにあるのでしょうか。
調べてみると、リバプールにあるウォーカー美術館が所蔵していると手元の画集にありました。

馬の白さを引き立てるために、背景の木や岩肌、ライオンが暗めの色で描かれています。
白馬が、急にライオンに出会ってビクッとした感じが伝わってきます。
全体的に茶色っぽい(落ち着いた)色合いなのに、こんなにドラマティックな描き方が、できるなんて。
スタッブスかっこいいなと思いました。

実際の画面の大きさは、縦101.6センチ、横127.6センチ。
絵画の号数実寸だと、F60号くらいでしょうか。


号って何?


号(ごう)は、元もとフランスにあった絵画作品の縦横の長さの規格を、日本用にしたものです。
数字が大きいと、画面は大きくなります。
Fは、型の種類をあらわすFigure=(人物)の頭文字。

他にも、

P=Paysage(風景)
M=Marin(海景)
S=Square(四角)
SM=thumb-hold(サムホール、親指)

など、描く題材によって比率の違うサイズのキャンバスを使います。
PやMは、それぞれどちらかの一辺が長い感じ。
SMは1号と2号の間にある、特殊なサイズ。
なぜサムホールと呼ばれるのかー。
これは、片手で支えることのできるスケッチ箱や板に、親指を差し込む穴が
あったことからこの名前がついたのだそう。
ちなみにサムホールというサイズの呼び名は、日本しかありません。

F○号は、人物画を描くのに適した比率ですよ…とのことなのですが。
個人的に

「適している!」

と思ったことは残念ながら1度もありません。
なんだかスミマセン。
もっとたくさん描けばピンとくるのかも。

ギャラリーや美術館でも、絵画作品のサイズ表記はセンチで表しているところがほとんどだと思います。
画材屋さんへ注文を出すときに、この表記があると便利だなと思うくらいですねー。

学生時代、夏期課題である公募展の提出サイズが上級生になるにつれて大きくなっていくのですが

「うわあー、今年はF50号か。」

と思いながら上級生の制作スペースを見ると、
卒業制作である100号サイズのキャンバス(訳162×130センチ。ほぼヌリカベ。)で

先輩たちの姿が隠れて見えない。

という、油彩画室の風景を思い出して懐かしい気持ちになりました。

作品ウェブサイト

須藤萌子の銅版画、ドローイング作品を紹介するサイトです。
こちらもご覧ください。
https://sudohoko2016.wixsite.com/sudohoko